はじめまして、藤原誠司と申します。
京都の町家で育ち、東京の金融街で鍛えられ、今は中小企業の経営者の皆様に「未来の売上を今に引き寄せる」ファクタリングの活用法をお伝えしています。
銀行員として見つめ続けた、経営者の背中
1989年、バブル絶頂期に三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行しました。法人営業部に配属され、以来20年以上、数え切れないほどの中小企業経営者の方々とお会いしてきました。
「藤原さん、来月の支払い、なんとかなりませんか」
深夜まで明かりの消えない社長室で、何度この言葉を聞いたことでしょう。売上は順調、受注も好調。でも、手元に現金がない。売掛金という「未来のお金」が、今すぐ必要な支払いに間に合わない。そんな優良企業が資金繰りに苦しむ姿を、幾度となく目にしてきました。
同僚たちは私のことを「お客様の顔を見れば、3ヶ月後のキャッシュフローが読める」と評してくれました。でも実際は、顔色を読んでいたのではありません。経営者の皆様が背負っている重荷を、その背中から感じ取っていたのです。
震災が教えてくれた、時間の価値
2011年3月11日。あの日を境に、私の金融観は大きく変わりました。
被災企業の緊急融資案件を担当する中で、目の当たりにしたのは「時間との闘い」でした。工場は無事、従業員も無事、受注も確保できている。でも、取引先からの入金は2ヶ月先。その間に資金が尽きれば、すべてが水泡に帰す。
「売掛金は熟成を待つワインのようなもの。でも時には、今すぐ飲むべき時がある」
この言葉が頭に浮かんだのは、ある被災企業の社長が売掛金の早期現金化(ファクタリング)によって事業を守り抜いた瞬間でした。未来の売上を今に引き寄せる。この金融手法が、企業の生死を分ける場面を目の当たりにし、私はファクタリングの真の価値に開眼したのです。
独立、そして新たな使命
2015年、四半世紀勤めた銀行を離れ、ファイナンシャルコンサルタントとして独立しました。58歳になった今、私の使命は明確です。それは、ファクタリングという選択肢を、もっと多くの経営者に正しく理解していただくこと。
京都人の血でしょうか、物事をストレートに言うのは苦手です。でも、回りくどい言い方の中に、大切な真実を込めることができると信じています。例えば、こんな風に。
「売掛金いうのは、池の鯉みたいなもんどす。泳いでるのを眺めてるだけやったら、腹は膨れまへん。時には網ですくって、今日の糧にせなあきまへん」
難解な金融用語を、日常の風景に置き換える。これが私の執筆スタイルです。
将棋が教えてくれる、資金繰りの極意
趣味は将棋と日本酒。特に詰将棋を解くのが好きで、これが資金繰りを考える際の思考法に大きく影響しています。
詰将棋には必ず「正解」があります。一見行き詰まったように見える局面でも、駒の動かし方次第で活路が開ける。資金繰りも同じです。売掛金、在庫、固定資産。これらの「駒」をどう動かすか。ファクタリングは、その有力な一手となり得るのです。
盤上の駒を見つめながら、杯を傾ける夜。稲盛和夫氏の『生き方』にある「今を懸命に生きることが、未来を創る」という言葉を、資金繰りの文脈で噛みしめています。今この瞬間の資金繰りを改善することが、企業の未来を創る。そう信じて、筆を執っています。
デジタル時代の新たな挑戦
正直に申し上げると、デジタル世代の経営者の皆様にどう響く言葉を選ぶか、日々悩んでいます。最近始めたTwitterでは「140字では伝えきれない奥深さがある」と感じることもしばしば。でも、これも将棋と同じ。限られた駒(文字数)で、いかに本質を伝えるか。新しい詰将棋問題として楽しんでいます。
このブログでは、私が銀行員時代から蓄積してきた経験と、独立後に得た新たな視点を融合させ、ファクタリングの活用法を多角的にお伝えしていきます。
時に京都弁を交え、時に将棋の比喩を用い、そして常に経営者の皆様の立場に立って。難しい金融の話を、できるだけ身近に感じていただけるよう工夫を重ねてまいります。
売掛金という「未来のお金」を、今日の経営に活かす。その一手が、皆様の事業の新たな局面を開くかもしれません。
どうぞ、末永くお付き合いください。そして、資金繰りでお悩みの際は、このブログが皆様の羅針盤となれば幸いです。
令和の時代も、変わらぬ想いで。
藤原誠司